製缶・機械加工一貫の工場と、溶接だけの工場を見分ける質問
2つの工場がどちらも正直に「機械加工付き溶接構造物を作っています」と言えても、まったく異なる事業であることがあります。一方は溶接が得意で、機械加工は外に出しています。もう一方は機械加工が得意で、製缶品は外から買っています。3つ目の工場は両方を行っており、お探しなのはこの工場です。
2日間の監査をせずに見分ける方法を紹介します。
まず工程の流れから
一つ質問をして、答えを最後まで聞いてください。
次のうち、どれを自社の建屋内で行っていますか。形状切断、曲げ加工、溶接、応力除去、機械加工、検査、塗装。
「いいえ」の一つひとつが受け渡しです。受け渡しとは、トラック輸送、よその工場での順番待ち、もう一つのリードタイム、そして部品が不良で戻ってきたときに責任があいまいになる場所です。
すべて「はい」である必要はありません。亜鉛めっきや放射線透過試験を外注している工場はごく普通です。探すべきなのは、溶接と機械加工を一緒に行い、それ以外については率直に答えてくれる工場です。
工場を候補に入れるか外すかを決める数値
すぐに確認でき、決め手になる項目です。
機械のストローク。 お客様の部品を加工する最大の機械の X、Y、Z。機械名ではなくストロークです。工場を除外する最初の条件になります。
テーブルの積載能力。 2トン対応のテーブルに4トンのフレームは載りません。
クレーン能力とフック高さ。 多くの場合、これが本当の制約です。機械を持っていても、部品を載せられないことがあります。
社内で応力除去を行う場合は炉の大きさ。 建屋の外寸ではなく、炉内の有効寸法です。
過去1年間に溶接と機械加工を行った最大の部品。 能力一覧表よりも有用です。願望ではなく事実だからです。
工程に関する質問
この大きさのフレームで、ひずみをどう管理していますか?
具体的な内容を含む答えが欲しいところです。溶接順序の計画、治具やモジュラー定盤、ポジショナー、逆ひずみ、入熱の管理などです。「うちの溶接士は腕がいい」と答える工場は、それについて考えていません。ひずみ管理のガイドと比べてみてください。
面にはどれくらい取り代を残してほしいですか?
本当の製缶・機械加工工場には意見があり、それは部品によって変わります。「図面どおりで」と言う人は、まだ痛い目にあったことがないか、決める立場にないかのどちらかです。
機械加工前に応力除去を行いますか。どう判断していますか?
応力除去のガイドで解説しています。一律の方針ではなく、溶着量、拘束、除去する材料の量、公差についての話を聞きたいところです。
機械加工のために部品をどう位置決めしますか?
治具、機械加工したデータム面、レーザートラッカーによる芯出し。この答えから、溶接構造物の機械加工を日常的に行っているのか、たまにしか行っていないのかがわかります。
書類に関する質問
施工要領と資格。 この材質、板厚、継手にはどの WPS が適用されるか、溶接士の資格は有効で範囲内か。WPS と資格認定のガイドを参照してください。
認証とその範囲。 どの認証を、誰が発行し、いつ期限が切れ、どの範囲を対象としているか。認証そのものより範囲のほうが重要です。
検査。 どの非破壊検査の方法が社内でどれが外注か、そして資格を持っているのは誰か。
寸法検査の報告。 何を提出するか、どのように測定するか、どの図面の版を基準にするか。
材料のトレーサビリティ。 チャージごとのミルシート、そしてチャージ番号が切断から完成品まで鋼板にどう付いていくか。
15分の現場チェック
訪問できる場合は、6つの点を見てください。
- 治具またはモジュラー定盤があるか。部品がブロックや木材で支えられているだけではないか。
- ポジショナーが使われているか。溶接が下向き姿勢で行われているか。
- ステンレスを扱う場合、ステンレスが炭素鋼と物理的に分けられ、専用の工具と研磨材があるか。
- 作業場所に溶接順序が文書で掲示されているか。誰かの頭の中だけにないか。
- 機械加工済みの部品が適切に保管されているか。面が保護され、コンクリートの上に積まれていないか。
- 整理整頓されているか。大まかな指標ですが、よく相関します。
忘れられがちな商取引上の質問
治具の所有者は誰か。 リピートの案件では、仕事を移したいときや2社目を加えたいときに重要になります。
初品が公差外だったらどうなるか。 後ではなく、前に尋ねてください。その答えから、リスクをどう考えているかがわかります。
実際のリードタイムの内訳は。 切断、組立、溶接、応力除去の待ち、機械加工、塗装、検査。一つの数字だけでは、納期のリスクが本当はどこにあるのかが隠れてしまいます。
治具を別途見積もってもらえるか。 リピートの仕事では、通常、案件全体で費用の節約になります。
危険信号
- 機械のストロークをその場で、あるいは1時間以内に答えられない。
- 幾何公差の厳しい大型フレームなのに治具は不要だと言う。
- 取り代について意見がない。
- 複雑な部品なのに、質問を一つもせずに非常に早く見積を出す。
- 認証はあるが、その範囲を誰も説明できない。
- どの工程を外注しているかを言わない。
質問なしの早い見積こそ、後で再見積になることが最も多い見積です。
当社の役割
当社は登録時に工場にこれらの質問をし、ストロークやクレーン能力を含めて回答を記録し、お客様の部品と照合します。工場を監査することも、誰かを認証することもありません。紹介は当社が行い、判断と認定はお客様側に残ります。
見積依頼を送ると、これらの質問にきちんと答えられる工場をご紹介します。
よくある質問
最も役に立つ質問を一つ挙げるとしたら何ですか?
切断、溶接、応力除去、機械加工、検査、塗装のうち、どの工程を自社の建屋内で行っているか、です。はいといいえの組み合わせから受け渡しの箇所がわかります。そして受け渡しの箇所こそ、納期と責任の所在があいまいになる場所です。
発注前に工場を訪問すべきですか?
重要な部品やリピートする部品であれば、はい。現場で15分過ごせば、どんな書類からもわからないことがわかります。部品が治具で固定されているかブロックで支えられているだけか、ステンレスが分けて置かれているか、ポジショナーが使われているか、整理整頓されているか、です。
大きな工場のほうが小さな工場より常に安全ですか?
いいえ。お客様の部品とまったく同じような部品を毎週作っている小さな工場は、お客様の部品が珍しい存在になる大きな工場より良い結果を出すことがよくあります。規模が意味を持つのは、生産能力、クレーン、機械の加工範囲についてであり、技術力についてではありません。